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地域別に見た賃料相場の特徴 |
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ここ数年来の倉庫供給は、不動産ファンドを中心とした賃貸倉庫が増え、物流業者が独自に調達する「量」は減っているようです。従来、物流業者が倉庫を確保する手段は、自ら取得するより賃借する方が多かったのですが、不動産ファンド系の利用は、土地・建物を所有するリスクと初期投資を大幅に縮減できるという大きなメリットがあります。さらに中規模物流業者の集約化と大手業者の寡占化が大型倉庫の供給とマッチし、今日の「一種の流行」を呼んだともいえるでしょう。しかし、ここにきて感じられるのは、すでにこの「流行」の最盛期は過ぎたのではないか・・・。端的に言えば、不動産ファンド系倉庫を賃借人が直接使うのではなく、サブリース目的が増えている傾向が窺がえ、優良倉庫需要者の一巡が終わったのではないかと思われることです。景気減速が言われる中で、倉庫の需給関係の変化が、倉庫賃料に与える影響は少なくないと思われます。
都心湾岸(大田〜江戸川) このエリアはもともと、輸出入貨物を中心にした港湾地域で、物流業者が所有する倉庫地帯です。ここにも江東区を中心に大型倉庫の進出が見られますが、需給のバランスは取れているようで、空き倉庫が増えているという状況にはありません。また準工業地域がマンション化されたり、商業施設に変わったりと、物流用適地は減っています。今後この地域での倉庫の供給が大幅に増える可能性は少なく、他方では将来の羽田空港拡張をにらんだ需要もありますが、すぐに物流量が増えるということではなく、景気後退の中で、当面、倉庫賃料に影響を与えるほどのことはなさそうです。
横浜・大黒町周辺 近年この地域にはメーカーの工場跡地を中心に大型倉庫が次々と建築され、計画中の倉庫も幾つかあります。ベイブリッジの開通は大黒ふ頭と本牧地域を結び、輸出入貨物の流れを大きく改善しましたが、新たな大型倉庫の出現が交通事情を変えつつあるようです。大黒町交差点は慢性的な渋滞場所と化しつつあり、この地域が倉庫供給の一大地区である事情は変わらないものの、利用者側から見た場合弊害が大きくなりつつあるようです。賃料的には、上昇する見通しは少なく、現状維持がしばらく続くものと思われます。
川崎・浮島〜東扇島 高速道路の開通が東扇島の交通事情を大きく変化させましたが、需給関係に逼迫感は少なく、今後、浮島での倉庫建設が進めば、脅威となる可能性が高いと思われます。両地区とも大田区のバックヤード的な要素を持っており、景気変動等に大きく左右される地域ともいえます。さらに羽田空港の拡張、多摩川を渡る橋の位置によって浮島地区の将来性も大きく変わってくるでしょう。その意味では、賃料的にはしばらく様子見を続けるのではないかと思われます。
浦安〜市川 近年この地域の大型倉庫の増加は著しく、特に浦安市千鳥町、塩浜周辺に集中しています。高速道路インターも近く、舞浜大橋の開通は都内へのアクセスを大幅に改善させ、都心への配送拠点として需要の多い地域です。倉庫需要はまだ増えると思われますが、新たな用地確保には限界があり、計画中のものを除き今後大幅な供給増は望めないでしょう。ただ、賃料的に見た場合、他の地域も同様ですが、景気の後退が言われる中で、上昇に転化する可能性は少なく、現状の水準が続くものと思われます。
船橋〜習志野 二俣から習志野まで湾岸道路海側に大型倉庫の供給が増えましたが、幹線道路が一本のみのため、交通渋滞が慢性化しつつあります。習志野は未利用地も多く、今後も倉庫計画が増える地域と予想されますが、湾岸海側は通勤の足が弱く、パート等の人集めには苦労する地域です。さらに交通渋滞の慢性化は、都内への配送に不適の地域になってきており、倉庫が供給過剰に成りつつあるようです。これらの問題が改善される見通しがない限り、賃料的には現状維持か下降気味と思われます。
外環(三郷〜戸田) 従来は中小倉庫が集中する地域でしたが、近年、三郷インター周辺の再開発地区、戸田、草加、八潮の工場跡地等へ大型倉庫が建てられ、様相が変わってきています。都内への配送拠点としても需要の多い地域ですが、他方でエクスプレス開通等の環境変化による住宅地化が進む所もあり、数百坪単位の低層倉庫が減る傾向にあるようです。当面、需給関係はバランスが取れているようで、賃料相場的には堅調に推移する地域といえそうです。
圏央道(鶴ヶ島〜青梅) 圏央道が八王子まで開通したことが、今後の倉庫需要にどのような影響を与えるかは未知数ですが、近年、入間から青梅にかけて大型倉庫が増えています。ただ現状は、中央道、関越道共に16号線の外になると、需要がそれほど多い地域とはいえないようです。5〜6年先には東名・中央・関越・東北・常磐・東関道につながるとの観測もあり、中継基地、都心への拠点としての将来性が期待されています。しかし当面、賃料的には横ばい、あるいは下降気味であるといえそうです。
東名高速道沿線 東京〜名古屋〜大阪を結ぶ日本経済の大動脈であり、インター周辺は従来から倉庫の需要・供給の盛んな地域です。特に川崎インターは常に供給不足の状態にあり、今後も倉庫が増える可能性は低いものと思われます。横浜インター〜厚木インター周辺も調整地域が多く、大幅に供給が増える状況にはなさそうで、16号線、246号線、129号線に沿って外延的に増えているのが現状です。第2東名、圏央道インター等を見越しての動きもあるようですが、東京から遠くなるにつれて倉庫需要も賃料も下がり、需給関係の変動が大きくなる傾向があります。現在は需給状況が比較的安定しており、賃料的には当面大きな動きはないものと思われます。
東北自動車道沿線 北へ向けての幹線道路で、各インター周辺は物流拠点として、需要の多い地域です。16号線内側は倉庫用地が逼迫し、近年の特徴は久喜、加須インター周辺に大型倉庫が増えていることでしょう。東北方面と首都圏向け貨物の物流の分岐点となる地域ですが、都内への拠点としては若干遠く、周辺地域の配送拠点ということであれば、そろそろ需給関係の飽和が見られそうです。他方、圏央道を見据えた久喜インター周辺での開発計画もあり、将来性が期待されていますが、当面、賃料相場的には、もともと高い地域ではなく、近い将来上昇する可能性も少ないでしょう。
常磐自動車道沿線 バブル期は茨城県谷和原〜土浦インターまで、倉庫需要が増えた地域ですが、その後の賃料下落で需要の中心は柏インター止まりとなっています。近年柏インターを中心に沼南、野田に大型倉庫が建設され、一時期見られた需給関係の逼迫感はなくなりました。今後も柏インター周辺には大型倉庫の計画が見られ、また低家賃の倉庫を求めて谷和原・谷田部インター周辺への関心もいまだ強いものがありますが、賃料的には現状維持というところでしょう。
関越自動車道沿線 所沢インター周辺が物流の中心で、新座、三芳地区には中小倉庫が集中しています。用地取得(調整地域が多い)の問題もあり、大型倉庫の供給には限界があり、計画の多くは川越インター周辺及びその先に見られます。都内方向への配送も需要の中心は所沢インター周辺までで、大幅に倉庫の需給関係が変わることはなさそうです。但し、潜在的需要はかなりあるものと推測され、供給が増えればそれに応じて需要がついてくるといった感じの地域といえそうです。圏央道の効果とあわせて今後の発展は未知数ですが、賃料的には当面横ばい状況といったところと思われます。
中央自動車道沿線 八王子インター(16号線)までが、倉庫供給地ですが、実際には府中インター周辺、立川市、日野市、八王子市等の工業系地区に倉庫が集中し、今後も倉庫の供給が大幅に増える地域ではなさそうです。圏央道と中央道がつながったことで、関越方面からの貨物の動きが期待されますが、都内への進入がさらに混雑することが考えられ、東京のベッドタウンとしての地域でもあり、物流拠点として開ける可能性は少ないといえるでしょう。逆に見れば供給が増えれば需要はあるということですが、当面、賃料的には横ばいにあると思われます。
東関東自動車道、京葉道沿線 アクアラインと京葉道がつながることで人とモノの動きが変わると期待されていましたが、千葉〜神奈川間の流れは相変わらず湾岸道路が中心のようで、混雑解消には至っていません。倉庫の需要も市原止まりが実情のようです。航空貨物の拡大で成田には大型倉庫が次々建てられ、佐倉、富里、大栄インター周辺も倉庫建設が盛んでしたが、それも一段落したようです。航空貨物を除くと倉庫の需要は16号線くらいまでが中心ですが、湾岸地域以降のインター周辺は調整地域が多く、大型倉庫の開発もあまり聞かれないようです。賃料的には、特に16号線の外側は上昇する要素もあまり見られず、当面、現状維持が続くものと思われます。
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